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森猛 伊亮

森猛 伊亮
中学校卒業後、不動産屋や大工、果ては証券屋やボーイなど様々な経験をつみながら、デンジャラスかつクレイジーな生活を経て、2013年より独立。

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理解しないと損する話

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なんと、、、

 

 

 

アルプス一万尺は、子ヤギの上では踊らないらしい。

 

 

 

全然知らなかった。

三十年位知らなかった。

 

実は、アルプス一万尺は小槍(こやり)の上で踊るらしい。

 

びっくりポンである。

四年ぶり位にびっくりポンという単語が出る位、びっくりした。

 

しかも、良く考えてみると私は『小槍』の意味も知らないし、『アルペン踊り』がなんたるかも知らなかった。

 

もっと言うと、『アルプス一万尺』という単語の意味も分かっていなかった。

 

そう。

 

私はつい先ほどまで、『アルプス一万尺』という歌について、何も理解していなかったのである。

 

そして私は、この無理解のせいで今までとんでもない損をしていた事に気付いて、只今とてもションボリとしている。

 

 

 

遡る事二時間前。

 

子ヤギは小槍だという噂を聞き、信じられなかった私はすぐにスマホを取り出し『アルプス一万尺  wiki』と検索した。

 

すると、そこには私が知らない『アルプス一万尺』の真実が記されていた。

 

 

 

曰く、この歌の名はそもそも『ヤンキードゥードゥル』というらしい。

 

ヤンキードゥードゥルである。

なんとなくクレイジーである。

 

因みに、意味は『マヌケなヤンキー』であるとのこと。

 

この歌の原曲はアメリカの民謡で、なんと、アルプスは全然関係ない。

 

子ヤギが小槍であった事よりもビックリぽんな事実である。

 

そしてこのアルプス一万尺には、この他にも私が知らなかった事実が多数あったので、以下に羅列する。

 

 

①アルプス一万尺はヤンキードゥードゥルを、日本人が勝手に歌詞を入れ替えた替え歌。

 

②『アルプス』は『日本アルプス』の事でスイスは関係ない。

 

③小槍とは日本アルプスにある『槍が岳』という山の、山頂付近にある巨大な岩で、ちょうど標高一万尺(3030m)の場所にある。

 

④この小槍は凄ぇボコボコしており、立つのも困難で上で踊るのはほぼ不可能。

 

⑤この歌は29番まである。

 

⑥ハイジとペーターは全然関係ない。

 

⑦アルペン踊りは大勢で輪になってグルグルと回りながら行う踊り。

 

 

 

知っている人は知っていたのであろうが、私は全く何も知らなかった。

 

そして、私はこれらの事実を理解していない事により、今まで物凄ぇ損をしていた。

 

 

 

まず、私はこの歌を歌い誰かと手を叩き合う時には、『軽くノリノリ』で歌ったり手を叩いたりしていた。

 

軽くである。

決して完全なノリノリではない。

 

元来お調子者の私が、なぜあのようなポップでチャーミングなメロディーに対して、完全なノリノリにならなかったかというと、子供の頃から『なんか羊かわいそう』とか思っていたからである。

 

何故かは分からんが、私はアルペン踊りとはコサックダンス的なものだと思っていた。

 

ゆえにこの歌は、『羊の上でコサックダンスを踊る、アルプスに伝わりし狂気の祭り』を表現した歌だと思っていた。

 

 

怖すぎてノリノリになどなれるはずがない。

 

 

で、先程この歌の名がヤンキードゥードゥルであり、『凄ぇ高い場所に存在する、立つことさえ困難な岩の上で、おじさん達が手を繋ぎグルグル回りながら踊る様子を表現し、しかも勝手に29番まで歌詞を付けた歌』である。

 

と、理解した上で家内と手をパチパチやってみた。

 

すると、、、

 

 

もう、ノリノリである。

超ノリノリである。

楽し過ぎるにも程がある。

 

 

私は人生で一番大事な事は、人に優しくする事だと信ずるが、その次に大事な事はノリノリになる事だと信じている。

 

人生ノリノリがあると何とかなる。

 

にも関わらず、私は人生において超ノリノリになる機会を何十回も逃していたのである。

 

実にもったいない。

 

更に私は、再放送でハイジやペーターを見る度に『でも君ら、祭りの時期になればユキちゃんの上でコサックダンスするんやろ?』と、物凄ぇ偏見の目で見ていたので全然純粋に物語りを楽しめていなかった。

 

ハイジやペーターを変な目で見てごめんね、オンジ。

 

本来楽しい事を楽しめないというのは、とても損な事である。

 

本当にもったいない。

 

 

 

とまぁこの様に、世の中にはちゃんと意味を理解してから行動しないと損をする事がままある。

 

例えば、その昔関西のとある地方に、先物を取り扱う小さな証券会社があった。

 

花の中卒でもヌルッと入社出来るほどの、とても小さい証券会社である。

 

その会社には、新人は三カ月間『道ゆく人に名刺を配って営業をする』という、コントみたいな研修があった。

 

証券会社の仕事とは、言うまでもなくお客さんから資産を預かり、その資産の運用をお手伝いする事である。

 

常識的に考えて、道端で突然声をかけられた兄ちゃんに仕事を依頼する性質のものではない。

 

ゆえに、この研修では必死に名刺を配りまくったりすると、とても損をするのである。

 

間違っても、会社に黙って休みの日にも道ゆく人に声をかけまくったり、意地になって一カ月で二本も契約を決めたりしてはいけないのである。

 

凄く損をする。

 

 

 

何故ならば、この研修は課長が部長に、『俺、新人達に厳しく研修してるんです!』と、アピールする為のコントなのである。

 

その事を理解せずにガチでやると、白い目で見られたり、やっかみにあったりして物凄ぇ損をする。

 

しかし、これがコントであると理解して行動すると。

 

名刺配りはテキトーにサボる事も出来るし、部長に対して。

 

『課長のご指導が凄く為になっています!でも、部長が打ち立てた伝説の〝たった二ヶ月で道ゆく人から契約を取る〟なんてのは、僕なんかには到底出来そうもないです!』

 

とか言える様になる。

 

 

 

すると、部長は自分自身も褒められ、自分が育て上げた課長も褒められる事になるので大変気を良くする。

 

更に課長は、部長から良くやってるなと褒められて気を良くする。

 

その結果、新人は部署内でとても可愛がられることになるので、最終的には契約を取るより何倍も得をする。

 

何となくムズムズするが、これはコントなので仕方がない。

 

 

 

因みに、さっきまで普通に会議をしていたのに部長が来た瞬間、部下に対して大声で指導と称した罵声を浴びせる課長も同種のコントである。

 

決して、理不尽に怒鳴られたからといって、悔し涙に濡れた『お前、いつかぶっ潰したるからな!』という目で睨みつけたり、その後派閥を作ってこの課長を潰しにかかったりしてはいけないのである。

 

だってコントだから。

 

それを理解せず、会社の為にとガチで対応すると味方も増えるが敵はもっと増えるので、結果的にとても損をする事になる。

 

 

 

なんか物凄ぇ私怨を感じる例えであったが、こういう事は私達の身の回りにいっぱいある。

 

『バットを強く振るための練習』という事を理解せずに、ひたすら腕立て伏せをして肘を故障した野球部員。

 

『お金を払ってお姉ちゃんとお酒を飲む場所』と理解せずにキャバクラに通い詰めて、ホステスに求婚しまくり破産したあのおじさん。

 

みんなみんな、意味を理解して行動していれば、防げた悲劇である。

 

今、自分は何の為にこれをやっているのか。

自分はなぜこんな事をやらされているのか。

 

その意味を理解せずになんとなくで行動していると、後でとんでもない損をする事がままある。

 

あんまり考え過ぎて行動を起こさないのも問題であるが、何も理解しようとせずにただひたすらに動くのも問題なのである。

 

 

 

つまり。

 

社員教育とは何たるかを理解せず、何となくで、よく分からんコントみたいな指導をしてしまうと、それに嫌気がさした優秀な人間はどんどん辞めていくので、小さな証券会社とかは倒産という最大の損をしたりするよ。

 

と、いう事である。

 

 

 

そんな、ざまぁみろな話。