
さて、時の流れとは速いもので2019年も残すところあと僅かである。
振り返れば今年も様々な事があった。
ピエールが捕まって、田口くんが捕まって、エリカ様も捕まったし、マーシーもまた捕まった。
なんか捕まってばかりである。
そういや、スノーボードの腰パンの人も捕まってたな。
とまぁいきなり話が逸れてしまったが、時の流れは本当に早い。
普段は時間の速さなどあまり意識しないが、『もう十二月』である。
ついこの間に『明けましておめでとー』とか言っていたと思ったら、もう『良いお年を』の季節である。
このペースだと、すぐにおじいちゃんになりそうだ。
で、突然ではあるが、私は思った。
先ほど書いた『もう十二月』というワード。
こいつは中々悪魔的であるな、と。
普段はあまり気にも留めない、時間が有限ある事実をこれでもかと突き付けてきやがる。
なんか焦る。
年始に立てた目標なんか何一つ出来ていないのに、一年もの時が経ってしまった事実にビビる。
毎年十一月の下旬頃から口々に発せられるこの言葉は、時の流れを加速度的に上げるパワーワードである。
そして更に私は気付いてしまった。
『もう十二月』なんぞ、序の口であると。
この世には、『もう十二月』を遥かに上回る〝時間加速ワード〟が溢れていると。
恐ろしい。
誠に恐ろしい。
という訳で、先だって年末恒例の流行語大賞が発表されたが、本日の当サイトでは、私が選ぶ〝時の流れが速く感じるパワーワード〟を誰からも頼まれてないが、五つご紹介したいと思う。
レベル1の『もう十二月』からレベルMAXの五段階に分けたので、心臓の弱い方や時間を早く感じる事に抵抗を持つ方は、レベルに応じてそっとページを閉じられた方が良い。
何か胸がキューってなるし、抗体のない方がレベルマックスまで行ってしまうと、あたかも浦島太郎の様になるやも知らん。
心の準備はよろしいか。
それでは発表する。
レベル1
『もう十二月』
もはや語るまでもないお馴染みのこのパワーワード。
最も凡庸性が高く、年に一度は必ず耳にするこのワードであるが、毎度毎度もう一年経ったのかと驚愕する。
一年の内に人として何か成長出来たか。と問われれば笑ってごまかすしか出来ないこの感じ。
速すぎるやろ一年と、ただただ嘆くばかりである。
レベル2
『笑っていいとも最終回から六年』
おい。
レベル2でこれかい。
いくらなんでも飛ばし過ぎやろ。
と、思ったそこのあなた。
あるいは。
知らんがな。
全く興味ないわ。
と、思ったそこのあなた。
心配するな。
書いている私が、色んな意味で一番ビビっている。
そう。
あの国民的長寿番組が終了して、もう六年も経つのである。
司会のタモリさんを始め、ダウンタウンやウッチャンナンチャン、爆笑問題などが今も変わらず第一線で活躍中であるので、そんなに昔の事とは感じないが、もう六年も経つのである。
全く個人的な体感で言うと、去年、あるいは百歩譲っておととし位の感覚なのだが、もう六年である。
六年といえばそらぁあなた、小学一年生の子が中学生になる。
枕元に靴下を置きサンタクロースを待っていた子が、ウフフな本の自動販売機を探し回るまでに成長するのである。
では、テメェ自身は六年でどうなったかというと、二センチメートルほどデコが広くなった位のもので、根本的には何も変わっていない。
恐ろしい話である。
レベル3
『金正恩総書記就任から八年』
ビビった。
物凄ぇビビった。
あのチャーミングな丸顔。
そしてよく分からないツーブロック、あるいはカリアゲ。
まるでキックベースでもする様に、飛翔体を撃つその天真爛漫さ。
見た目、行動、何をとってもいかにも若僧であり、最近になって何かとゴチャゴチャとしている印象があるので、ぽっと出の兄ちゃんの様に感ずるが、北の将軍様が就任してもう八年である。
こちらもレベル2のいいともと同様、おととし位と勘違いするが、もう八年も経つのである。
八年と言えば、小学六年生が成人する年月である。
『宿題やったけど家に忘れました!』とかアホみたいな言い訳をしていた子が、初のボーナスで『お母さん、これで何か美味しいものでも食べ』と、母を泣かせるほど成長するくらいの年月である。
で、その年月をテメェに当てはめてみると、北の核廃棄の進捗状況くらいしか成長していない事に気付く。
つまり、何も変わっていないのである。
それらしく動いている様に振る舞ってはいるものの、状況的には八年間なーんにも変わっていないのである。
あぁ恐ロシア。
レベル4
『小渕さんが平成と掲げてから三十年』
このレベル4に関しては、正直私はピンときていない。
現在、三十四歳である私は当時保育園児であったと思うが、てんで記憶に無い。
だが、私の周りにいる五十代前後の人に言わせると、このワードが一番時の流れを感じるということだった。
確かに、何となく言いたい事は分かる。
昭和と言われると物凄く昔に感ずるが、平成なんぞついこの間の話である。
それが始まったのが三十年も前の事だと言われれば、なるほど尋常ではないスピード感である。
そして恐ろしい事にほとんど記憶にはないが、私は園児の頃からほぼ根本的に何も変わっていない。
見た目はすっかり大人になったが、過日、自宅近くの美術館でドラえもん展なるものが開催されていた時、楽し過ぎて物凄ぇはしゃいだ。
見た目は大人、頭脳は子供。
逆コナン君である。
さて、それではこれよりレベルMAXに突入したいと思う。
しかしその前に、これより先に進む方は相当の覚悟を決められた方が良い。
少しでも気を許すと、余りの時流の速さ感で精神に何らかの異常をきたすやも知らん。
それどころか、甚大なワードの強さにパラレルワールドへ引きずり込まれる可能性すらある。
それを承知の上、覚悟の上で進まれる方はゆっくりとスクロールされたし。
引くのもまた勇気であると私は思うが、それでも進まれる方は、ゆっくりと進まれたし。
レベルMAX
『安達祐実、三十八歳』
『安達祐実、三十八歳』
もはや言葉すらない。
手が震えて、思わず二度も書いてしもうた。
あの安達祐実が三十八歳という事実。
もうこれは、『あれから何年』とかいうレベルの話ではないのである。
時は流れた。
昔と比べ、国民の全てが若返った現代日本においては〝熟女〟とカテゴライズされることはまぁないであろうが、まごうことなき大人の女である。
ついこの間『同情するなら金をくれ!』と叫んでいたあの小さな少女が、三十八歳なのである。
ついこの間まで子役のスターであった幼い少女が、結婚し、子を産み、更に離婚してからまた結婚し、子を産んでいるという事実。
その間、漫才師がハンバーグに変容するほどの時間が流れているのである。
正に『あっ』と言う間に、という感じがする。
圧倒的童顔であるので、いつまでも子供の様に思っていたが、よく考えたらテメェより歳上である。
少女が大人になるのだから、私だって大人になっている。
全く自覚は無いが、大人になっているのである。
物凄く時の速さを感じる。
という訳で、テメェで書いといてなんだが、何か物凄ぇパンチ力のある記事であった。
ちょっとフラフラする。
普段は改めて考えることのない時間の有限性をひしひしと感じ、膨大な時間がとんでもないスピードで流れているのにも関わらず、ほとんど何も変わっていない自分自身に結構ビビる。
が、何となく楽しい。
なんであろうかこの背徳感は。
そして、出来ればこの稿をお読みになった方の中で、上記に並べたワードに匹敵するパワーワードをお持ちの方は、是非ご教示頂きたい。
なぜならば、先一年経っても恐らく私は何にも変わらないので、また来年も同じ企画で同じ様な記事を書く。
その時に参考にしたいのである。
要するに。
同情するならネタをくれ!
という事である。
そんな、光陰矢の如しな話